今回のテーマは「大学時代にアルバイトをするべきか」。
こちらについてお話していきたいと思います。
大学生になってアルバイトを始める人って多いですよね。
筆者も大学時代にアルバイトをしていました。
車の運転免許やPCを買うためでもありましたが、総額的には趣味・交際・外食費の割合が多かったと思います。
お金を稼ぐだけじゃなくバイト自体も楽しんでいましたが、社会人になって違うことに時間を使えば良かった、と思うこともあります。
アルバイトを始めるか悩んでいる学生に向けて、「アルバイトをするべきかどうか」を記事にまとめたので、参考になればと思います。
・今のアルバイトを続けるか悩んでいる大学生
・アルバイトと就職活動の関係性
・アルバイトする上での注意点
〇目次〇
アルバイトの基礎情報
独立行政法人 日本学生支援機構の学生生活調査
学生が直近1年以内にアルバイトを経験している割合は、
・平成28年度で83.6%
・平成30年度で86.1%
・令和2年度で80.7%
そして、内半分以上の学生が学費以外を目的にアルバイトをしています。
マイナビのアルバイト実態調査(2021年)
学生がアルバイトを始める理由は以下の通り。
・貯金のため
・趣味、交際費のため
・社会経験、就職活動に活かすため
・時間を有効に使う、充実感を得るため
・自分、家族の生活費のため
つまり、学生がアルバイトをする主な理由は次の3つに分類できます。
・お金を稼ぐため
・就職活動に活かすため
・それ以外のメリットを得るため
お金を稼ぐことが目的であれば
そもそもアルバイトは「安い労働力」です。
仕事内容も簡単で、責任も少なく、正社員に任せる必要が無い仕事だからこそ、安くて体力のある労働力として学生を雇っています。
安い時給を1.25倍するだけで深夜も働いてもらえますし、
誰でもできる仕事なので簡単に解雇することもできます。
つまりアルバイトをする学生からすると、弱い立場で自分の時間を安売りしている。
自由に使える時間=暇な時間と考えてアルバイトをしている人は、非常に勿体ない時間の使い方をしているとも考えられます。
お金を稼ぐことが目的であれば、アルバイトよりも効率の良い方法があるので、まずはそちらを検討してみてください。
1. 給付型の奨学金を狙う
返済義務の無い奨学金で、経済的理由の他に、成績優秀者が受けることができます。
勉強に集中することで成績上位者を狙えるのであれば、一番良い方法です。
貸与型の奨学金はただの借金(利子あり)なので、大学費用のために必要最低額を借りるのは良いですが、遊ぶお金のために貸与型奨学金を借りることは絶対にオススメできません。
2. 時給の高い仕事を狙う
学生アルバイトとして一般的な飲食店や販売店のスタッフは、未経験でもできるため時給が低く設定されやすい仕事です。
急ぎでお金が必要でなければ、動画編集やWebライティングなどのスキルを身に着けて、時給の高い仕事、単価の高い仕事を受けてみるのも良いと思います。
(クラウドワークスやココナラなど)
将来的にも、就職後にスキルを仕事に活かせることもあるし、副業として仕事を受けることもできます。
塾講師や家庭教師は時給が高いと言われますが、授業以外の時間にも準備が必要で実質的に時給が低いこともあるので注意が必要です。
3. ストック収入を狙う
自分でYoutubeやブログを育てることでストック収入を狙えます。
時間を対価にして報酬をもらうフロー収入ではなく、Youtubeへの動画投稿やブログなど、一度作れば利益を発生し続けるストック収入であれば、試験前などの忙しい時期でも一定の収入を得ることができます。
注意点は、最初はほとんど収入が得られないことが多いので即効性がないこと。
2で外注の依頼を受けながら、同時にストック収入に向けて積み重ねる形で進めるのが良いと思います。
就職活動を理由にアルバイトをするのは危険
筆者は結論として、アルバイト経験自体が就職活動に有利になるとは考えていません。
アルバイトの仕事内容が就職後の仕事に活かされるとは限らないからです。
アルバイトの仕事のほとんどは「言われたことをやる仕事」です。
社会人に求められる「自分で問題を見つけて解決する仕事」とは違います。
そのため、「バイトを頑張りましたアピール」をしても仕事ができる人とは判断されません。
(肉体労働のバイトで体力がありますというアピールはあるかもしれませんが......。)
就職活動での「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」の質問でも、キャリアセンターでは「どんな学びを得たのか?」や「問題解決のためにどう行動したのか?」を答えるように言われます。
つまり、「経験を通して成長できる人間なのか」や「自分が問題に対して行動できる人間なのか」が大事なので、その過程がアルバイトである必要はありません。
ガクチカは勉強で良い
ガクチカで迷うのであれば、学生の本分である勉強でも良いんです。
無理に凄いエピソードを持ってくる必要はありません。
苦手な科目を理解するために、
・教授やゼミの先輩を捕まえて質問しまくった。忙しい中で時間をもらっているので、先に余裕のある時間帯を聞く、疑問点を簡潔にまとめるなど、できるだけ迷惑にならないように配慮した。
・毎日〇時間の時間を確保して基礎から学び直した。基礎から学びなおすことで、他にも理解できていなかった内容に気づくことができた。
・まとめた内容をブログに書いたり友人に教えて、アウトプットを行った。その過程で自分は何かを教えたり、他人の面倒を見ることが好きだと気が付いた。
など、自分の工夫と感じたことを言うだけです。
(自分の経験を踏まえて深堀りは必要。)
アルバイト経験をアピールするなら
それでもアルバイトの経験を使いたいという人は、就職後に活かせるかどうかに関係なく、自分がどういう人間かを知ってもらうエピソードとして使うことができます。
変わったアルバイトを経験していれば、面白い人間として話のネタにすることができます。
また、趣味を兼ねたアルバイトで人並以上の知識があるのであれば、○○が好きというネタで話をすることができます。
・料理好きが、本格イタリアン店で働いた経験を活かして美味しく作れる小技を話す。
・映画好きが、映画館やレンタルショップで働いた経験を活かして隠れた名作を紹介する。
ただし、これらは自身の評価を上げるものではなく、自分の性格を知ってもらう話のネタ程度のものなので、優先すべきものではありません。
アルバイトをするメリットは何か
お金を稼ぐならアルバイトよりも良い方法があり、就職活動で有利にもならないなら、アルバイトをするメリットは無いように思いますよね。
どちらかと言えば、筆者は「大学時代にアルバイトをすべきでない」という意見に賛成です。
社会人になってから、時間をもっと他のことに使えば良かったと思うことが多かったからです。
それでもアルバイトをして良かった、アルバイトするなら○○をもっと意識しておけば良かったと思うことがあるので、メリットとしてまとめました。
逆に、以下のメリットが得られないのであれば、アルバイトではなく他のことに時間を使うことをオススメします。
人間関係が広がる
アルバイトは大学以外の人との人間関係を作るチャンスです。
同じ学校に通っている相手は、年齢、思考、立場が自分と近い人です。
その分意見が合いやすかったり、考えを共有しやすい相手に分類されます。
しかし、アルバイトでの人間関係は、学校も違えば年も違うし、生きてきた環境も全然違います。
こういった大学内では得られない立場の人との人間関係を作ることができ、違う目線での意見がもらえるメリットがあります。
注意点は、一定以上の関係性を複数人と作ることです。
プライベートの相談まではしない関係性であったり、バイトを辞めた後は連絡を取らない関係性であれば、意味がありません。
所属するコミュニティが増える
周囲の環境からの影響を受けやすい人は、所属するコミュニティは複数あると良いと考えます。
これは、あるコミュニティで気分が落ち込んだ時に、別のコミュニティが気分を明るくしてくれるからです。
趣味で完全にストレスをコントロールできたり、ストレスをあまり溜めない人は関係ないかもしれないが、ストレスの原因から離れたコミュニティで活動することで解消することができます。
注意点は、ストレスを溜めやすいバイト先だと逆効果になること。
そのため、人間関係の良いなどのストレスを受けにくいバイト先を選ぶ必要があります。
勉強以外の能力が分かる
「勉強ができる=仕事ができる」ではないため、実際に働く上で必要な能力を知るきっかけになります。
「挨拶をきっちりする」「トラブルは隠さず報告する」などの基本的なことがどう評価されるのかや、自分は年上の人からどう見られやすいか、が気になる方には効果あり。
また、自分が適正のある仕事を知ることもできます。
・チームで取り組む仕事 or 一人で進める仕事
・顧客に直接対応する仕事 or 顧客とは顔を合わせない製造の仕事
など。
※当然ですが、チームの仕事は仲の良いメンバーなのか、知らない人あるいは仲の良くない人がメンバーなのかによって全然違います。
チームで取り組む仕事をメインにするなら、誰とでも上手く付き合っていける、相手の理不尽な対応を流せる、などの能力があると良い。
これらを気にする方の場合、1つのバイトを長期間続けるのではなく、定期的にバイト先を変えた方が色々なパターンを経験できると思います。
恋人が見つかる
おまけですが、恋人を探す手段としても有効です。
男性ばかりの理系学部など、男女比が偏った環境であれば、異性の多いバイト先で恋人を見つけるという手段もあります。
地元なら昔の同級生と再会する可能性もありますし、他大学の人と仲良くなって合コンを組むこともできます。
バイト先で付き合っている友人がいたり、そのまま結婚した友人もいるので、再現性の高い方法です。
大学時代に異性と交流したい、結婚相手を大学で見つけておきたい人は、恋人を探す目的で、アルバイトを始めるのもアリです。
アルバイトをする上で絶対に避けること
アルバイトをするかは最終的に個人の自由ですが、次の状況に陥るのであれば、アルバイトをしない、あるいは辞めることをオススメします。
勉強に支障が出る
様々な理由で勉強の邪魔になる、最悪の状況です。
バイトの拘束時間が長い、試験前にまとまった休みをとれない、バイトが楽しくて勉強そっちのけ、など。
私自身がバイトに時間を使って単位を落とした経験がありますし、上記の理由で単位を落とした、あるいは留年した友人もいます。
単位を取り直す手間も無駄、場合によっては一年間の学費を無駄にすることもあるため、勉強優先を前提にアルバイトをするようにしましょう。
生活リズムを崩す
平日のアルバイトは夕方~夜が多いかと思いますが、深夜まで働く必要があるアルバイトは生活リズムを崩す原因となります。
授業に遅刻するなどの勉強に支障が生じるようなことは避けるべきで、遅刻しなくても睡眠不足になればパフォーマンスは下がります。
「若い内は多少の無理が効く」と思ってる人も多いかもしれませんが、将来の健康には確実にダメージが残るため、若いからと言って不健康な生活を送ることは避けるべきでしょう。
通常の企業での仕事であれば夜更かしする必要は無いはずなので、夜更かししない規則正しい生活リズムに体を慣れさせておく方が良いと思います。
勉強、バイト、遊びで終わる
「大学で授業を受けて、アルバイトで小遣いを稼ぎ、遊んで青春を謳歌している」
大学生のイメージをこのように捉えている中学生、高校生も多いのではないでしょうか。
お金も時間も、高校生までと比べて自由にできる範囲が広いのは確かです。
しかし、そのお金と時間を自己投資に使うことなく学生時代を終えると、後悔する可能性が大いにあります。
自己投資をしないとどうなるか?
勉強しかしていない学生は成績という基準のみで評価され、偏差値の高い大学や成績の良い学生と比べ、能力や価値が低い人間と判断されます。
この勉強が飛びぬけて優秀であれば、そのまま博士課程に進んだり企業の研究者として就職する道がありますが、それ以外の職業を目指すのであれば他にもできることを増やして価値を上げた方が良いです。
お金を払ってスクールや通信講座を受ける社会人も多いので、自由な時間を使って他学部の授業を受けたり気になったことにチャレンジしていると、より有意義な学生生活となるはずです。
目指す先が決まってるのであれば必要なスキルを身に付ければ良いですし、まだ先が決まってないのであれば、どんな仕事でも使えると便利なスキル(英語、Excelなど)や生活に役立つスキル(FP、簿記など)を身に着けておくと良いかと思います。
まとめ
個人差があるので、一概にアルバイトをするな!とは言えません。
しかしお金や就職活動が目的であったり、暇な時間の使い道としてアルバイトを始めるのであれば「優先した方が良いことがあるのではないか?」と思ったので、内容をまとめさせてもらいました。
・目的に合ったアルバイトをする。
・勉強、バイト以外に、自己投資にも時間を使う。
固いことばかり書きましたが、学生時代は2度と帰ってこない時間でもあります。
自分が将来「勿体無い時間の使い方」をしたと思わないよう、勉強にも遊びにも自己投資にも全力で取り組むことが大事です。
将来に向けての準備に取り組みながらも、楽しむところはしっかり楽しむ。
自分が自由にできる時間、優先順位を考えて、充実した学生生活を送ってください。
ではでは。